bifidobacterium BB536

ビフィズス菌 BB536

ビフィズス菌とひと言にいっても、その種類はさまざま!
現在、確認されているだけでも100種類以上あり、おなかへの作用や性質もみな異なります。森永乳業が研究を続ける「ビフィズス菌BB536」は、ヒトにすむ種類のおなかに適した菌で、酸や酸素に強いため製品中で生き残りやすく、また整腸作用からアレルギー予防、感染防御などの働きをしてくれる優れたビフィズス菌です。ここでは、その働きを見ていきましょう。

特別に選ばれた
ビフィズス菌BB536

ビフィズス菌BB536は、赤ちゃんの腸内から発見された人にすむ種類のビフィズス菌です。乳児から大人の腸内にすむ種類のビフィズス菌であることから、数あるビフィズス菌の中でも、より人に適した菌であると考えられています。とくに、人にすむ種類のビフィズス菌が苦手とする酸や酸素に強く、ヨーグルトなどの製品の中でも長く生き続けられるため、腸に毎日届けるビフィズス菌として最適な存在なのです。

現在では、「プロバイオティクス」、つまり腸内環境を改善してくれる生きた善玉菌の代表的な菌として世界中の多くの国で認められ、ヨーグルトやサプリメント、育児用粉ミルクなどの製品となって販売されています。また、長年の研究から多くの生理作用が確認されており、健康維持に大いに役立つビフィズス菌として知られています。

整腸作用を中心とした
ビフィズス菌BB536
の働き

ビフィズス菌BB536は、長年の研究から、整腸作用やアレルギー予防など、人に対してたくさんの生理作用を持っていることが明らかにされてきました。ここでは、その代表的な働きをご紹介します。

01 整腸作用

ビフィズス菌BB536を摂取すると、腸内環境が良好になり、おなかの調子がよくなります。便秘気味の女性がビフィズス菌BB536入りヨーグルトを1日100g(20億個以上/日)2週間食べたところ、腸内のビフィズス菌の割合が増え、排便回数が増加しました。
これらの作用は普通の乳酸菌のみで作ったヨーグルトよりも高い効果が示されています。

ヨーグルト摂取による整腸作用の違い

ヨーグルト摂取による整腸作用の違いを表すグラフ

対象:便秘気味の女性 37名
摂取期間:2週間
*p<0.05 vs 非摂取期間、普通のヨーグルト摂取期間
Yaeshima et al., Bioscience of Microbiota, 1997 より作図

02 肉食による
腸内劣化抑制作用

食事内容を基本的に肉・卵に限定した“肉食”に、ビフィズス菌BB536入りヨーグルト(40億個/日)を同時に食べたところ、腸内のビフィズス菌数が保たれ、悪玉菌のひとつであるビロフィラ菌の増加が抑えられました。

ビフィズス菌数の減少を抑制

ビフィズス菌数の減少を抑制を表すグラフ

悪玉菌(ビロフィラ菌)の
増加を抑制

悪玉菌(ビロフィラ菌)の増加を抑制を表すグラフ

対象:健常な成人男女 21名
摂取期間:5日間
*p<0.05 vs 肉食前(群内比較)
Odamaki et al., Beneficial Microbes, 2016 より作図

03 毒素産生型
フラジリス菌の
除菌作用

腸内細菌のひとつである毒素産生型フラジリス菌(ETBF菌)は大腸がんのリスク因子となっている可能性が考えられています。そこでこの菌を保有する人に、ビフィズス菌BB536入りヨーグルト(32億個/日)または牛乳を摂取してもらったところ、ビフィズス菌BB536入りヨーグルトを摂取したグループでのみETBF菌が摂取前の1/3程度まで減少しました。また摂取をやめたところ、ETBF菌数が試験前と同じ程度に戻りました。

毒素産生型フラジリス菌(ETBF菌)を除菌

毒素産生型フラジリス菌(ETBF菌)を除菌を表すグラフ

対象:健常な成人男女 32名
摂取期間:8週間
*p<0.05 vs 牛乳群
Odamaki et al., Anaerobe, 2012 より作図

04 アレルギーを
予防する働き

花粉症などのアレルギー反応は、免疫のバランスが崩れることによって起こります。ビフィズス菌BB536は、腸内細菌や腸に存在する免疫細胞に働きかけることで、崩れた免疫バランスの改善を促してくれるため、アレルギーの症状が緩和すると考えられています。
花粉によるアレルギー症状を有する人が、スギ花粉が飛び始める約1ヵ月前からビフィズス菌BB536粉末(1,000億個/日)を継続摂取したところ、くしゃみなどの自覚症状が緩和されました。

花粉飛散期間における
メディカル症状スコアの合計値

花粉症の症状が緩和
花粉飛散期間におけるメディカル症状スコアの合計値を表すグラフ

対象:花粉によるアレルギー症状がある男女 44名
摂取期間:13週間
*p<0.05、**p<0.01 vs 対照群
Xiao et al., Clinical & Experimental Allergy, 2006 より作図

05 高齢者の
インフルエンザの
発症予防

高齢者のビフィズス菌BB536粉末(1,000億個/日)継続摂取により、インフルエンザの発症や38℃以上の発熱の回数が少なくなりました。また、ビフィズス菌BB536を摂取することで、免疫細胞のひとつである、NK細胞や好中球の活性が高まることが確認されています。

発熱・インフルエンザ発症を予防

発熱・インフルエンザ発症を予防を表すグラフ

対象:65歳以上の高齢者 27名
摂取期間:19週間
*p<0.05 vs 対照群
Namba et al., Bioscience, Biotechnology & Biochemistry, 2010 より作図

06 潰瘍性大腸炎の
緩和作用

潰瘍性大腸炎とは、自分のなかにある免疫反応が異常を起こして発症すると考えられている病気です。大腸の粘膜に炎症が起きて、ただれや潰瘍などの症状を引き起こします。ビフィズス菌BB536を摂取すると、こうした症状が軽くなることがわかっています。

CAI(Clinical activity index)スコアの変化

潰瘍性大腸炎の症状が緩和
CAI(Clinical activity index)スコアの変化を表すグラフ

対象:潰瘍性大腸炎の症状のある男女 14名
摂取期間:24週間
*p<0.05 vs 0週目(群内比較)
Takeda et al., Inflammatory Bowel Diseases, 2006 より作図

森永乳業が見つけた
ビフィズス菌BB536

森永乳業はビフィズス菌研究のパイオニアとして、長い間研究を行ってきました。ビフィズス菌BB536は、「赤ちゃんの健康を守る製品づくり」のために、母乳の成分や働きを研究していた過程で、1969年、乳児から発見されました。それから、人に適したビフィズス菌であり、酸素や酸に強い特徴を持つビフィズス菌BB536を多くの人に毎日届けるため、製品開発をスタートさせました。やがて、ビフィズス菌をより元気に届ける製造の工夫を重ね酸や酸素に弱く製品化が難しいといわれていたビフィズス菌を、ヨーグルトに入れて発売することに成功したのです。1986年にはその高い技術が認められ、ビフィズス菌入りヨーグルトの製造技術をフランスへ輸出しました。その後も研究を続け、酸素を通しにくいバリア容器やビフィズス菌BB536を守ってくれる乳酸菌(ラクトコッカス・ラクティス菌)を活用した製造技術を開発し、より効果を発揮しやすい状態でビフィズス菌を届けられる製品づくりを実現させたのです。また、粉末状にしたビフィズス菌サプリメントの開発にも成功し、現在では世界中の多くの国で森永乳業の技術が利用されています。

ビフィズス菌BB536は、1969年の発見から50年以上にわたって研究・製品に応用され、累積30カ国以上で使用された実績があります。安全性の面においても、米国食品医薬品局のGRAS※を受けました。安全性の高い「プロバイオティクス」の代表として、いま世界中で注目されているビフィズス菌なのです。

※Generally Recognaized As Safeの略で、「一般的に安全と認められたもの」。