花粉やアレルギーの不快感緩和!
腸内環境とビフィズス菌がカギに

重たいコートがいらなくなり、足取りだって軽くしたい春。でも、くしゃみ、鼻水、鼻づまりに悩まされる、憂うつな季節でもあります。もしも花粉がなければもっと春を楽しめるのに……。実は、そんな花粉による不快感の緩和には、ビフィズス菌と腸内環境が関わっているのです。腸内環境から花粉に悩まされない体質を目指す方法をご紹介します。

花粉症はアレルギーによる病気

花粉症は日本人の4人に1人がかかっていると言われる、アレルギー疾患の一種。ウイルスなど体に害を及ぼす「侵入者」を排除する免疫システムのバランスが崩れ、本来は害のない花粉などに過剰反応する状態です。

鼻水や鼻づまり、目のかゆみなどのアレルギー症状を起こしたり、必要なときにきちんと働いてくれなかったりしてしまいます。

アレルギー症状を緩和するには

つらいアレルギー症状は、ステロイド剤や抗アレルギー剤などの服用で緩和するのが対応策のひとつです。しかし、症状が出ている間は服用し続ける必要があるうえに、長く服用すると効き目が薄れることも。

アレルギー症状をできるだけ抑えるには、アレルギーの原因物質に触れないことが大切です。たとえばスギ花粉によるアレルギーには、マスクとメガネで肌を花粉から守る対策が特に効果的。また、花粉の飛散期には窓を締め、帰宅時に上着についた花粉を払って、家の中に花粉を持ち込まないことも重要です。

しかし花粉の付着を完全に防ぐのは難しいもの。そこで注目したいのが、アレルギーの出にくい体質をつくることです。

腸内環境がアレルギーの出にくい体質をつくるカギに

アレルギーの出にくい体質は、免疫システムを正常に働く状態。免疫システムはさまざまな細胞が関わりますが、中でも「Tレグ細胞」は体への侵入者に対する過剰な反応(=アレルギー)を抑制する働きを持っています。

Tレグ細胞の正常な働きを助けるのが「腸内細菌※1」。

腸は免疫システムと非常に密接な関係を持つ器官で、免疫細胞の60~70%が集まっています。口から入ってきたものが、体にとって有害かそうでないか選別し、食物のように栄養となるものを吸収する一方、有害な細菌やウイルスを体内に入れないよう、24時間365日、守ってくれているのです。

腸の免疫システムは腸の中に住んでいる「腸内細菌」がコントロールしています。善玉菌を増やして腸内フローラのバランスを整えると免疫システムにも影響し、アレルギーの出にくい体質を目指せるのです。

ビフィズス菌の摂取が腸内環境を整える

腸内環境を整えるためにおすすめしたいのが、善玉菌の代表であるビフィズス菌を含む「プロバイオティクス」(善玉菌や善玉菌を含む食品)を摂取することです。

ビフィズス菌も乳酸菌も善玉菌として有名な菌ですが、腸内ではビフィズス菌が善玉菌のほとんどを占めています。健康な赤ちゃんの腸内細菌から推計される、腸内の善玉菌のビフィズス菌と乳酸菌(乳酸桿菌Lactobacillus)の割合は、なんと99.9対0.1。

しかしビフィズス菌は加齢とともに減少します。外部からビフィズス菌を摂取することで、腸内フローラのバランスを良好に保つことができます。

しっかり届くビフィズス菌を送り続ける

プロバイオティクスを選ぶ上で大事なのが、生きたまましっかり腸まで届くビフィズス菌であること。

ビフィズス菌には性質や効果が違う60種類ほどの菌種があります。その中で酸や酸素に強く、食品の中でも長く生き続けられるビフィズス菌を摂取することが重要です。また、プロバイオティクスで送り込んだビフィズス菌は、あくまでも「応援部隊」。腸にずっと住み続けることはできせんので、摂り続けることもポイントです。ヨーグルトなど、無理なく続けられる方法で、プロバイオティクスを摂取していきましょう。

エサも届けて腸内のビフィズス菌を応援

送り届けたビフィズス菌やもともと住んでいるビフィズス菌のエサになる、ラクチュロース(オリゴ糖の一種)や食物繊維などの「プレバイオティクス」も摂れば、さらに効果的。

菌を届ける「プロバイオティクス」と、菌を育てる「プレバイオティクス」を一緒に腸に送り込む考え方を「シンバイオティクス」と呼びます。シンバイオティクスは、腸内のビフィズス菌の働きをより活発にする方法として注目を浴びています。

腸内フローラが整った強い腸は、免疫システムのバランスを正常化。花粉によるアレルギー反応を緩和する対策として期待できます。

日ごろの食事・生活にも気をつけてより強い腸へ

ビフィズス菌を摂取すると同時に、日ごろの生活にも気をつけると整った腸内環境により近づけます。

食生活では、食べすぎや極端なダイエット、高脂肪・高カロリーの食事を控え、バランスのよい食生活を心がけましょう。また、睡眠不足や不規則な生活、運動不足などの生活習慣の乱れやストレスは腸内環境を悪化させ、免疫の働きを低下させることが分かっています。

カビやダニ、ホコリなど、アレルギーのもとになるものが多すぎる環境を避けることも大切です。

食生活や生活習慣をすべて一度に変えるのは大変なこと。腸内環境を整えてアレルギーの出にくい体質を目指すため、まずは食事にプロバイオティクス・プレバイオティクスをとり入れるところから始めてみませんか?

※1 ビフィズス菌や乳酸菌、大腸菌など人の腸内に定住している細菌の総称

監修医師

吉井クリニック院長 吉井友季子先生

大阪市立大学医学部を卒業後、大阪市立大学第一外科、育和会記念病院を経て、平成11年、女性の健康と美容をトータルにサポートできるクリニックをコンセプトに、吉井クリニックを開業。
内科、外科、婦人科疾患の診断、治療の他、予防医学やアンチエイジング、美容医学にも力を入れている。外科、内科、婦人科の数々の臨床経験から、内面からの健康をサポートしつつ、様々な最新美容医療を取り入れ外面からも、アンチエイジングをサポート。

参考資料

「アレルギーは腸から治す」(林隆博/幻冬舎)

「花粉症環境保健マニュアル」(東京都健康安全研究センター)